「キレる私をやめたい」を読んで

田房永子さんの「キレる私をやめたい」を今日読み直して、やはりとても面白いと思いました。
 
只のハウツー本やエッセイ漫画とは画一された、普遍的な悩みが詰まっています。
こういう切り口の漫画が読みたかった、と、初めて読んだときに思いました。
 
キレることで悩んでいる人、キレられることで悩んでいる人、うつに悩んでいる人、うつの友人に悩んでいる人。
 
自分が気付いていなくても、なんだか身近な人とどうも上手くいかないと感じている時
 
大概が身近な家族や恋人の間で起こる問題なので表層に出て来ないのですが、もし自分と同じような悩みを抱える人が何万といることを知ること、そして改善した話を聞きたい人は沢山いるんじゃないかな、と思います。
 
あらゆるメンタル的な問題は、自分の状況と本音(心)の状態を理解することから段々解決されてゆくのではと思いました。
 
キレるパターンは2つあり、身の危険を感じて本能的にキレることと、過去の体験を重ねてキレること、らしいですが、後者の場合、
 
やるべきことをやれていなく、自分のことをダメだと思い、自信がない時、言われたくないことを言われて、敏感になった心が言ってはいけない、やってはいけない状況を超えて爆発すると、状況と心が合致します。
 
何故かキレてスッキリする状況は、心と状況合わせの自爆のようなものだそうです。
 
◎伝えたいことが相手に伝わった実感をあまり持てない
◎心の中では自分を1番ダメだと思っている
◎自分の主張が正しいと思えない(だからキレる)
◎状況にピントが合いすぎていて心にピントが合わない(〇〇をしたら嫌われる、など)
◎未来に悪いことが起きると決め付け、思い込んでしまい、過去の悪いことと行き来して、現在(今)が見えなくなり、パニックになってしまう。
 
などなど、キレてた頃の自分を思い出して、あーわかるなあ、と思うことがたくさんありました。
 
全く自分の嫌なところを見るのは毎度嫌だなと思うのですが、長年自己欺瞞に陥っていた部分を幼少期から洗ってみると、なるほど傾向が見えてきて、解決や目に見える改善にならなくても、事実と向き合うこと、理由を予想することで漠然とした不安からは逃れられるかなと思います。
 
また、自分のキレるポイントから、実は全く逆のことを自分が思い込んでいる可能性も見えてきます。例えば片付けられない人の、「女の人は家事ができないといけない」など、自分のルールで自分が苦しんでいる場合が多いようです。いわば自分でコンプレックスを作ってしまっています。
嫌いな人は自分の鏡だと言うのはこれを他人に見ている場合なのかな、と思いました。
 
24時間自分に厳しいセカンド自分に付きまとわれ、自分も疲れ、もう1人の自分も疲れることでしょう。
 
ゆっくり休み、眠り、やりたくないことはしない、行きたくないところに行かないようにして、自分の出来たことを褒めて、今を確かめる(例えば、家にいる、テレビを見ている、喉が渇いた、ご飯が美味しい、呼吸をしている、など現在進行形の事実)ことが良いそうです。
自律訓練法に似てるなと思いました。
自分のことだけを見ることも、いつも他人と比べているのだから難しいことです。
 
私はよく言われるようなうつの治療で、頑張りすぎない、の「頑張り」の定義は難しいなと思っているのですが、本音に素直になることが良いかなと思います。
というのが、なかなか出来ないことです。
人生で重要なことは、どんな惨めな悩みも素直に話せる相手を見つけることかなーと思います。
自分を大きく見せたい気持ちは誰にもあるだろうし、人に良く思われたい気持ちは、切実で悪い気持ちではないし、色々ニュースや悪口を聞いてて思うのですが、まあみんな良い方向に行きたい気持ちは同じなのだと思います。ただ自分のことだけを考えているかそうじゃないかかなと。
 
この前、大学院の大掃除で、大量の綺麗な木材をゴミとして捨てた時、悲しくて泣きたくなりました。
自分も含め、どれだけ無駄なものを買って、自分のことだけ考えて、そういう風にものを作ってるんだなと感じ、虚しくなりました。
 
 
八つ当たる方も八つ当たりをされる方もどちらも同じようにきつく、何をするかわからないから、腫れもの扱いされて妙な甘やかしをしても、本人も身内も辛いままです。
 
 
つまらないことで怒っている人には理由があります。
 
 
怒っている自分に嫌気がさしている人も、怒っている人を見て嫌気がさしている人も、一緒に考えられれば、と思いました。
 
 
回し者ではないのですがいいなと思ったのでいろんな人に読んでほしいです。